膀胱・前立腺全摘・回腸導管(ストーマ)とその生活

 私は2017年2月に回腸導管手術を受けましたが、入院するまで、ストーマ装具や身障者手帳の事など、不明な点が沢山ありました。それらに付いて、本篇を参照ください。。
 また、「31年前の大腸がんから今回の膀胱がんの手術歴」について」は、次編を参照ください。
http://kikyossya.at.webry.info/201708/article_2.html
 更に、「私の手術で体験した性のしくみ他」については、次々編を参照ください。
http://kikyossya.at.webry.info/201708/article_1.html

1. 膀胱・前立腺全摘・回腸導管とストーマとは
 膀胱がんなどで、膀胱を全摘した場合の治療の第一の選択肢は「回腸導管」である。まず、腹腔鏡手術(下腹部に2cm位の穴を3ヵ所開ける)などで「膀胱」を全摘する。その後の、回腸導管手術は、臍の横10cm位を開腹し、回腸を20cm位切取り、血管が付いたまま「導管」として利用する。残った腸の部分は縫合して、消化器系へと戻される。切取った回腸部分の前端(肛門側)を、臍の横の開腹した所からお腹の皮膚の外に4cm位出し、回腸の内側をひっくり返して、先端を開腹した皮膚に縫合する。その結果、回腸の開口部は、皮膚から2cm位突き出る事になる。この外に出した回腸部分を「ストーマ」と呼ぶ。(写真は私のストーマ)
画像後端(胃側)には、左右の腎臓から出ている尿管を接続して、縫合する。その際、各々の尿管にステントと言う、直径1mm位の細い金属管を通し、ストーマからその一端を出す。ステントには各々別々の色の模様があり、左右が判る。このステントは、数日から数ヶ月には抜き取られるが、手術直後の縫合部に水分(尿)が触れていると止血作用が悪く、縫合の妨げるためであろう。また、途中の回腸部分では、ステントから尿が漏れる様にできており、回腸部分を尿で洗浄してストーマから排出する様にもなっていると聞いた。
お腹から突き出したストーマ部分(回腸の内側)は、鮮やかな赤色をしている。手術医はこの色を「牛肉」と言い、赤い肉色が鮮やかな程、健康な証拠としているらしい。
 なお、一般に、成人の腸は、8~9m(肉食民族は8m位)あり、十二指腸→空調→回腸までの7m位が、小腸と言われている。その内、十二指腸(25cm)を除く、5分の3位が回腸と呼ばれている。回腸は食事で摂取した栄養を吸収する大切な部分で、沢山の突起があり、それを広げた面積は「テニスコート1面分」になると言われている。回腸は細く、肛門から挿入する大腸内視鏡は入らない。
 また、小腸の細胞は、増殖が頻繁で、3日に一度位再生されるらしい。古い細胞は、普通は便として排泄されるが、回腸導管となった場合、その部分細胞は、ストーマの方に排泄される。「もろもろ」した白から透明な粘液が、ストーマから出て来る。回腸導管とした部分にも「蠕動運動」の機能は残っていて、尿管から腎臓方向に逆流するのを防いでいるのだろう。
このストーマ部分に被せるビニールの袋(パウチ)を「ストーマ装具」と言い。その開口部にストーマの突起部をくぐらせ、皮膚保護材と言われている特別な接着剤で腹部に張り付ける。ストーマ装具は、幅15cm、長さ25cm位あり、300cc位の蓄尿量があるが、一般に150~200cc溜った所で、先端の「排出口」から排尿する。このストーマ装具を張付ける部分に、皺(しわ)があると、尿が漏れる危険があるので、臍の横の膨らんだ部分に、ストーマを作る様に配慮されている。

2. ストーマ装具の構造と補助用の袋
 このストーマ部分に被せるビニールの袋(パウチ)を「ストーマ装具」と言う。ストーマ装具には、「消化器用装具」と「尿路用装具」とがある。下の写真は私が使用している尿路用のストーマ装具である。
画像写真右上の円形の穴がストーマ孔である。お腹から飛び出ているストーマを、そのストーマ孔にくぐらせ、その周りにある直径6cm位の「面板(めんいた)」を、皮膚に接着する。面板には幅5mm位の皮膚保護材と接着剤がドーナツ状に着いており、ストーマから排出される尿を、お腹の皮膚とその皮膚保護材の「土手」でせき止めている。一方、面板の接着剤には、物理的な接着力が少ないので、その外側に、直径15cm位の接着布があり、お腹に「しわ」がよらない様に接着する。この製品の場合、接着布までをカバーする透明なプラスティック板がある。それを使用する直前に剥がすと上下(写真では左右)の接着布がお腹に接着する。そこで、ストーマの位置や取り付け方向を合わせて、その後、左右の白い紙を剥がして、残りを接着する。
尿は面板に付いているビニールの袋に溜り、先端の排出孔(写真左)から適時排出する。ビニール袋は、幅15cm、長さ25cm位あり、実際には、300cc以上の蓄尿が可能であるが、尿の逆流や板面からの尿漏れ、破損を防ぐため、200cc以下で排泄するのが望ましい。
 この面板部分とビニール袋とが一体になっている物と別になっていて、フランジ(嵌合部)で組み立てる形式の物もある。私の場合、手術後の1週間位は、毎日ストーマ部分とステントからの尿の流出を診察する為、組み立て式を使っていたが、その後は一体型に替わった。
ビニール袋の下端には排出孔があり、360度回転するコックになっている。180度毎に「開」「閉」となる。私の製品では、滴マークが見える方が「開」、見えない方が「閉」となる。更にその先に、ビニール製のキャップがあり、そのキャプでも排出は止まっている。しかし、このキャップは、衣服の着脱で外れる事もあるので、普段からコックをしっかり止めておく必要がある。
また、このストーマ装具には、お腹に巻き付ける幅25mm位のゴム入りベルトが接続できる。激しい運動をする時とか、尿が溜って袋が「ぶらぶら」して気がかりな時は、ベルトを巻くと良い。
他に、「ウロバッグ」をストーマ装具のコックの先に接続すると1600ccまで蓄尿できる。一般には夜間に使用するが、ベッドで点滴中や寝たきりの場合にも使用できる。
その他に、「レッグバック」と言うものもあり、300とか500ccの袋を「ふくらはぎ」にベルトで固定して、スマート装具とをビニールパイプで結ぶ事もできる。「レグバッグ」の先には、排出孔があり、洋式便器に片足を乗せて、排出孔のコックを開けて排尿する事ができる。私が入院中に試しに「レグバッグ」を使ってみたが、なぜか小さな穴が開いていて漏れ、スリッパが濡れてしまったので、すぐに外してしまった。退院後にも試しに使ってみたが、ふくらはぎに錘が付いている様で「うさんくさい」し、接続パイプが外れたりしたので、二度と使っていない。
 ウロバッグやレッグバッグは、衛生上の理由もあり、時々洗浄し、1ヶ月毎に新品と交換するのが望ましいそうだ。物理的な耐久性は、もっと長いと思うが。
 私の使っている装具は、入院時、最初はストーマ孔40mmの製品をハサミで50mm位に広げて使ったが、3回目位にはストーマの腫れが引き、40mmのままで使える様になった。更に5月(退院1ヶ月半後)のストーマ検診では35mmで良いと言われた。このタイプ製品は20~40mmまで5mm単位で選べる新製品らしく、病院では試供品を使っていた。製造業者のカタログには沢山の種類があるが、ストーマ孔が小さく、今まではハサミで自分に合った大きさに切るのが一般的だった様だ。
 また、最近のストーマ装具は、プラスティックと接着材技術の進化のおかげで日進月歩してきた様だ。特に、天板をお腹の皮膚に付ける部分を「皮膚保護材」と表現する事もある様だが、30年位前には、天板・ビニール袋・接着剤を別々に用意して、組み立てていたそうだ。特に、皮膚保護材は、皮膚を弱酸性に保ち、かぶれを防ぐ化学素材の進歩で大いに改善された。

3. ストーマ装具の交換
 ストーマ装具は、面板の接着力と皮膚保護材の劣化が心配であり、1週間に1~2回交換する。最近の製品は性能が良くなり、私は現在、1週間に1回でトライ中である。その結果、7日持った事もあったが、6日目位に漏れそうになる時が多かった。私の場合、お腹の右側に数mm幅のしわ(凹み)があり、そこから、皮膚保護材の土手の崩壊が始まったらしい。
 ストーマ装具の交換は、まず、使用中のストーマ装具を外す。外側の接着布を、剥離剤を着けながら剥がしていく、中の皮膚保護材の接着力は、次第に弱くなり、6~7日後には、特に剥離剤を着けなくても剥がれる様だ。剥離剤は液体状のものと、3cm角位の布に液体状の物質を沁み込ませた綿タイプとがあり、私は後者を使用している。
次に、お腹の皮膚に残った接着剤を拭き取る。シャンプーを脱脂綿に含ませるとか、「泡洗浄石鹸」をストーマの周りに付け、余り擦らない様に(泡に浮かせる様に)取り除く。それから、お湯に浸した脱脂綿で良くふき取る。その後、ストーマの周りを乾いた脱脂綿で軽く拭き、水分が残らない様に乾燥させる。
 新しいストーマ装具を取り付ける。面板の開口部を腹部のストーマの周り1mm位の隙間を保ち取り付ける。私の使っているストーマ装具は、ストーマ装具の開口部を合わせたら、お腹を突き出して、お腹のしわを伸ばしながら、外側の接着布を張付ける。更に面板を押して皮膚保護材の接着を行う。その後、面板を10~15分間、手の平で押して温める。冬季など寒い時は、ホカロンなどで手を温めて行う必要もあるそうだ。
 私は、ストーマを付けたまま、風呂に浸かり、温まった所で、洗い場の椅子にすわり、前のストーマを外し、泡洗浄液で接着剤を剥がした後、ストーマを出したまま、全身の身体を普通に洗い、風呂タブに入っている。風呂タブに入っている間も、尿は少しずつ出ているので、風呂の水に尿が漏れるが、気になる程ではない。その後は、普通に身体をタオルで拭いて、ベッドに寝て乾かして、寝た状態でストーマを交換している。その間も尿は少しずつ出ているので、身体を拭いている間やベッドで乾かしている間は、ストーマに脱脂綿を被せている。

4. 尿路系ストーマ生活
 ストーマ装具は生涯付ける事になる。寝たきり生活になった場合など、自分一人でストーマ装具の交換ができない場合は、他人に交換してもらう必要がある。
一方、普通の生活には殆ど支障ない。衣服を着ている場合は、ストーマや装具が直接外部から見えるわけではないので、知らない人には、外見上は特に判らない。
 ストーマ装具からの排出は、若干の慣れが必要だ。尿の量は、食事や飲料(飲酒)などでの摂取水分量が関係するが、排泄の方は一定ではない。汗、むくみ、便の柔らかさなどで、時々刻々変わっている。したがって、時間間隔のみでの排出のコントロールはできない。ストーマ装具のパウチをズボンの外から触れてみるとか、パウチの重さで判断するしかない。
 私の使用している装具は、普通のベルト式のズボンも特に問題ない。ストーマの直ぐ上にベルトが来るが、装具がストーマ孔の外側で5mm位盛り上がっており、そこに引っかかっている感じだ。ストーマに感覚がないため押されても感じないのだろうか?
 ストーマ装具からの排出は、ズボンのチャックを開けて普通の男子便器にも排出できるが、便器の着水面まで、20cm以下が望ましい。駅の男子便所の様に、地面近くに着水面がると周りに飛び散り、ズボンも汚れる。ペニスから普通に小便する場合は、一歩前に近づいて、20cm以内に便器の縦面に放尿すれば飛び散らないが、ストーマ装具からの排出の場合は、勢いがないので、縦面には届かない。男子トイレでも底面が膝位置位の高さになっている便器では問題ない。
 夜間は、就寝前に「ウロバッグ」と言う2000cc位のビニール袋には、透明なパイプで接続する。トイレに起きる必要が無いので、熟睡できる。私は、その「ウロバック」を針金で作った自作のフックにぶら下げている。ウロバックの上端は、ベッドに寝た時のストーマ装具の排出孔より下にして、自然の重力でウロバッグに流れるようにする必要がある。
私の使用している「ウロバッグ」には、上に透明なパイプが上端に付いているが、下端には排出パイプが出ている。毎朝、その排出パイプのロックを外して、別の容器に移して、トイレに捨てている。排出パイプのロックは両手を使わないと安定して開けないので、ウロバッグごと外して、トイレに捨てる場合、ウロバッグは柔らかいので、便器の上にぶら下げる何らかの道具が必要になる。ウロバッグは時々透明なパイプの先から清流を流し入れ、バッグを揺するなどして、濯いで、排出し、日陰の物干しなどにぶら下げて置くのが良いそうだ。ウロバッグの物理的耐性は、数ヶ月だろうが、衛生上の理由もあり、1ヶ月毎に新品と交換する事が推奨されている。
先日のストーマ外来で専門看護師に、旅行などで宿泊する場合について聞いてみた。和式の布団でも10cm位のマットレスが有れば問題ないし、洋式のベッドの場合もフックなどが無ければ、ウロバッグを床に転がして置いても良いと返事であったが、製品の説明書きには「床に置かない様に!」と書いてある。私が構造を調べた限りでは、物理的な問題は無い様だが、踏んづけたり、蹴とばした時に、尿が逆流する危険があるかもしれない。
 ストーマ装具には、ベルトでお腹に巻き付けられる構造になっている。腰を廻す運動などをした場合に、尿の溜ったパウチが揺れない様になる。このベルトを付ける事で、ゴルフやテニスも可能らしいが、夏季には汗でストーマの接着が剥がれる可能性や汗で尿量が減少した時に、回腸導管部分などで詰まる危険もあると思う。私は、2年前にゴルフを止め、今回の手術後に40年続けてきたテニスクラブを退会した。主な理由は、会費が高い事とこの年齢では体力が続かないと考えたからだ。

5. 障害者申請とストーマ装具の給付
 ストーマ手術直後から、障害者申請が可能になる。手術担当医が記入した「ストーマ手術を証明する身体障害者診断書(ぼうこう・直腸機能種障害用)」を貰い、上半身の写真を付けて、居住市町村の福祉窓口に申請する。障害者の等級は以下である。
1級:ストーマ以外に他の障害もある場合
3級:消化管、尿路両方のストーマ(ダブルストーマ)の人
4級:消化管または尿路のストーマどちらか1つの人
障害者手帳は数ヶ月後に取得できるが、申請日からストーマ装具の給付が受け付けられる。給付は、年度上期4月~9月と下期10月~3月分の半期毎に行われ、所定の購入額(約7万円位?)までは1割以下の負担で購入できる。所定の購入額と負担割合は、前年度所得により変わるそうだ。まず、装具の販売業者から半期分の見積書をとり、福祉窓口に提出すると、販売業者に許諾通知があり、利用者からの注文書を送り、負担金額を納入すると、ストーマ装具が送られてくる。しかし、障碍者手帳が交付されるまでは、給付が受けられない。私の場合は、申請から1ヶ月半になるが、「役所の指定医の認定」で止まっているとの事で、装具の販売業者の好意で、暫定分として、仮に送ってもらった。給付の受付は、上期分は3月中旬から4月末、下期分は9月中旬から10月末と受付期間が限定されている。
他に、障害者の場合、税金の控除、交通運賃の割引、各種公共料金の減税、医療費の自己負担額の補助などの各種サービスが受けられる。私の居住する横浜市の場合、
①  市営地下鉄と市内の公共バスの無料パス(福祉乗車券)が支給された。
②  高速道路(首都高速を含む)の利用料が半額になった。高速道路の料金所で障害者手帳を提示した時に適用される他、ETC利用時の申請もできる。障害者が主に利用する乗用車1台のみで、車検証、ETCカード、ETC機器の取付証明書を提示して申請する。
③  4万円以下の自動車税は、県税務署に申請すると全額免除される。
④  所得税・住民税の控除は、国税事務所への所得税申告時に、特別控除として、記入する。
⑤  NHK受信料免除(全額・半額)は、世帯構成員が全員非課税の場合などに適用される。
⑥  タクシー利用料の割引は、料金支払い時に障害者手帳を提示すると受けられる。
なお、道路交通法の駐車禁止除外適用は、障害者1級と3級のみであり、尿路系ストーマのみでは、適用外となる。ただし、「半年経過後に、諸般の状況を考慮して、適用になる場合もある」との記載もある。
他に、サークル活動で時々利用している隣接市の駐車料金が、障害者手帳を見せると、時間制限なしに利用できた。

6. がん保険の
申請
 私は、今回の手術で「アフラック」のがん保険金を受取った。1982年4月に、当時のアメリカンファミリーがん保険に加入した。当時は、入院26日以上のがん手術で、60万円の保険金が受け取れる契約であった。
その後、保険会社名が現在の「アフラック」に代り、保険名称が「新がん保険」と変り、契約内容は、入院給付金が日額1万5千円と変わった。更に、契約書をよく見ると入院20日以上の継続入院で、且つ、退院後に療養が必要な場合、20万円の在宅療養給付金が受け取れる仕組みと成っていた。更に、死亡時保険金は150万円である。また、この保険では、配偶者は本人の2/3が受け取れる契約である。なお、生涯、保険料は3,250円/月であった。
私のがん入院歴を以下に示す。
1)1986年5月:大腸がん、入院26日
2)2012年11月:膀胱がん、入院5日
3)2013年1月:膀胱がん、入院5日
4)2015年8月:膀胱検査入院、入院5日
5)2017年2月:膀胱全摘回腸導管、入院29日
 私は1986年5月の大腸がん手術では、入院期間25日で退院できると医者から通知されたが、1日延ばしてもらったと記憶している。

7. 介護保険・後期高齢者医療保険
入院中に、看護師から「介護申請」を勧められた。退院後、近くの「美しが丘ケアプラザ」に行き、申請を行った。1ヶ月後位に、「保険認定審査員?」の来訪があり、小1時間の認定を受けた。その後、しばらくたって、「要支援2」が認定された。その結果、介護保険の介護福祉士の最大利用料は約10万円で、2割負担との通知が来た。私の知識では、散歩などの身体的支援が2500円/H、家事手的支援が1600円/Hと聞いていたが、月40時間以上利用できる計算になる。利用するには、別途、ケアマネージャーと面接して、利用計画書(例えば、何曜日の何時に何の介護とか)を作る必要がある。私の場合、とりあえず、身の回りの事は一人でできるので、利用計画書は作っていない。介護保険システムの人的・金銭的危機が問題になっているが、私の様な人が「要支援」になるとは、一寸驚いた。
後期高齢者医療保険の自己負担には、1割と3割がある。その区別は、前年の収入額(税務申告した額)により決まる。夫婦の場合、520万円、単身者の場合383万円以上が3割負担となる。注意が必要なのは「収入額で、所得額ではない」点だ。収入とは、必要経費(医療費・保険料・障害者控除など)が含まれない。例えば、「個人年金」だ。自分が預金したお金を毎月引出しても収入にはならないが、個人年期として受取ると収入になる。個人年金は早めに解約した方が良い。次は、利子所得も収入になる。こちらの方は源泉徴収に変更すると良い。源泉徴収は年間の利子の20%を国家に別途収める制度であるが、収入に入れて申告する必要が無い。
後期高齢者医療保険は、75才以上の被保険者が、その総医療費の1割を負担し、残りを国と民間の保険組合が負担する形で維持されている。75才以上の被保険者は増加の一方あるが医療費負担の方が、納税者の人数より伸びが高いので、後期高齢者の負担は増加の一途だそうだ。今年は保険料も上がり、8月1日から「高額医療費還付金」の上限額が、今までの44000/月から58000/月に変わった。なお、この還付制度は月単位なので、月を跨いだ入院などは、還付金が少なくなる。私の今回の入院は、2月27日入院、28日手術、3月ほぼ1ヶ月入院で44000円少なくなった。この事は知っていたが、手術室やベッドの予定で、医者が決めたので、受け入れた。
                         
8. 他の人工膀胱(尿路再建)
 以下の各種の治療方法があるが、膀胱全摘の場合は、回腸導管・ストーマ方式が良い様だ。
1)自排式人口膀胱:回腸部分60cm位切取り、そこに尿管を接続して、残した尿道括約筋に接続する手術である。身体の外観上は全く変わらない。回腸部分には400cc位の蓄尿量が確保できるが、尿意が無く、収縮力も無い為、睡眠時を含めて、一定時間(4時間)毎に、腹圧で排尿する必要がある。更に、回腸は細胞の再生速度が速いので、時々(数日に1回位?)ベニスの先から、カテーテル(ビニールの管)をいれて、生理食塩水で洗浄する必要がある。100cc以上の残尿があると、細菌が増殖して、腎盂炎などの重篤な病気になる危険があるので、排尿時に毎回、カテーテルで残尿を排出する必要もある。
2) 蓄尿型回腸導管:自排式と同じ様に、回腸の60~70cm部分を切取り、袋を作り蓄尿するが、回腸部分の終端をストーマとして、腹壁に出す。その際、普段はストーマから尿が出ない様にバルブ状のストッパー?を作る必要がる。一定時間(4時間)毎に、お腹のストーマからカテーテルを入れて、排尿する必要がある。しかし、上記の「1.自排式」と同様に、生理食塩水による洗浄が必要である。
3) 尿管皮膚胃婁:尿管を直接お腹の皮膚に縫い付けストーマとし、そこに、ストーマ装具を付ける。左右の尿管を1つのストーマに纏める場合と、左右別々の2ストーマ方式とがある。手術は簡単で、短時間で終り、患者の負担も少ない。しかし、腎臓への細菌感染がしやすく、体力の劣った老人などにしか適用されていない。
以上の人工膀胱に方式には、欠点も多く。現在、殆どの人口膀胱手術は、「非蓄尿型の回腸導管」が行われている。
将来的には、人工的繊維の袋を体内に埋め、蓄尿量センサーを取付けた本当の意味での人工膀胱が発されると思う。人工繊維の関連学会の将来予測で、人口膀胱がトップとの記事を見た事がある。

9. 前立腺がんマーカー(PSA)の真実
 私の膀胱がん治療のきっかけとなった前立腺がんについて、記載しておく。
 10数年前、私の大学の同級生が「前立腺がん」で亡くなった。亡くなる1年数ヶ月前に、風邪気味で近所の開業医の診察を受けた時に、念の為にと撮影した胸部レントゲンで、骨の一部が「真っ黒」だったそうだ。診断は前立腺がんの末期で、余命1年だったとの事。私達、同級生3人で、お見舞いに行った時は、女性ホルモンで「ぷっくら」と太り(胸のふくらみも)、ベッドに反身を起こした患者がいた。女性の部屋と間違ったかと思い、「失礼しました」とドアを閉めると、「俺だよ!入れ!」と同級生に言われた。彼は前立腺の治療で、抗がん剤を使い、PSA値を観察してきたそうだ。PSAが高くなるとその都度、抗がん剤を変え、当時4種類のあった最後の抗がん剤では、PSAは600位までしか下がらなかったらしい。その後、緩和治療(痛みを取り安らかに死を迎える治療)に変え、現在のPSA値は1600との事と聞いた。1時間ほどのお見舞い後、病院の玄関まで、元気に送ってくれたが、1ヶ月後に亡くなった。彼は病院で別れる時。「お前ら!健康診断の時、追加1000円でPSA検査が受けられるぞ!!」俺の遺言だと言っていた。
お見舞いに行ったもう一人は、病院からの帰路で「俺は肺がんで死ぬ!」と言っていたが、「嘘だろう」と言う程に元気だった。学生時代に覚えた社交ダンスを週一回、元の会社のダンスサークルにOBとして参加しているとの話だった。しかし、別れた3ヶ月後に、本当に「肺がん」で亡くなった。
お見舞いに行ったもう一人の同級生は、年賀状は来ないが、奥様からは返事が来る。彼は朝から飲んだくれて、時々ギターを鳴らし、なんとか生きているらしい。
そんな事や、最近の芸能人の「がんのニュース」を見聞きし、医師が下手に介入しなければ、亡くなる1ヶ月位前までは、従前の活動ができる事を知った。私は、現在「どうせ死ぬならがんが良い!」との人生観を持つようになった。
「PSA」とは何だろうか? 前立腺で作られる物質で、精液が空気(酸素)に触れた時に固まらない様にする物質だそうだ。前立腺の腺構造に溜められ、射精時に、精嚢から押し出される精液に混ぜられて、ペニスから放出される。このPSAは一般に血液に混じる事は無いが、前立腺がんがあるとがん細胞が腺構造を壊し、血液に漏出され、血液検査で検出される。しかし、乗馬やバイク、性行為など、陰部に力が入る行為を行った時にも、腺構造から血液中に漏れるらしい。「PSA」の検査の前1週間、その様な行為をしない様にとの注意書きがある。
更に、前立腺関係の病気以外で死亡した高齢者を解剖した結果では、半分位の人に前立腺がんが見つかっている。それらの人々の前立腺がんは、転移もしなく、増殖が非常に遅い「たちの良い前立腺がん」と思われ、生涯前立腺がんを知らないで亡くなっている。
また、2012年3月の米医学誌発表の記事に「PSA検診で見つかった早期の前立腺がんは、手術しても、手術せずに経過観察しても、死亡率に差はない」と発表している。これに対し、「証明された」とする日本泌尿器科学会と「まだ証明されていない」とする厚生労働省研究班との間で議論が続いている。」との記事だったが、その後、厚生労働省が医療費削減の為、「PSA検査による手術は慎重に!」との指導を行うと、日本の医療機関は猛烈に反発し、現在に至っている様だ。

続き:「31年前の大腸がんと今回の膀胱がんの手術歴」については、事変を参照ください。
http://kikyossya.at.webry.info/201708/article_2.html

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