宇宙誕生から地球消滅までの驚異(2007年記)

 私が世の中で不思議に思っている事が2つあります。一つ目は「この膨大な宇宙空間の存在」で、2つ目は「水の固体・液体・気体の性質」です。
この宇宙は、137億年前のビッグバンで始まったと考えられています。その後、46億年前に太陽系が誕生した事はほぼ確実です。生まれた当初の太陽の核融合反応は低く、明るさは現在の70%位だったと考えられています。46億年はあまりにも長いので、以後、地球が元旦に誕生し、現在の我々が大晦日に生きているとした「地球年」も併記してみたいと思います。
約40億年前の地球年2月上旬には、地球に生命が存在したと言う証拠が残っています。その後、地球年6月末までは、地球大気に酸素が無く、炭酸ガスなどの温暖化ガスで、温められた地球の液体の海の中で、メタン菌などの嫌気性細菌が主な生命でした。
ところが、約20数億年前の地球年7月上旬に、葉緑素を持ったシアノバクテリアと言う植物の祖先が誕生しました。太陽の光と炭酸ガスを効率的に利用して成長し、酸素と言う有毒ガスを発生したのです。当初、その酸素は海に大量に存在した鉄と結合し、海底に沈んで行きました。海の鉄が少なくなると、大気中に酸素が溜まり、寒冷化が生じ地球全球凍結となったこともあった様です。その間、寒冷化で酸素の発生が減少した「冬の時代」と火山活動などで大気中に溜まった温暖化ガスの影響で、海の氷が解けた「春の時代」を交互に繰り返した様です。
その間に、少しずつ酸素濃度も増大し、さらに地球の公転軌道、歳差運動、大陸移動などの幾つかの要素が絡み合って、約7億年前の地球年10月初め頃から、何回かの全球凍結に遭ったという証拠が見つかっています。地球上の生命も度々の試練にさらされたと思いますが、逆に自然淘汰の結果でしょうか、多細胞生物の発生、有性生殖の獲得など、その後の生命の大進化に結びついた可能性があります。
約5億5千万年前の地球年11月中旬頃、それまで海底火山の近くの海中温泉などでかろうじて生き残っていた生命が進化し、様々な種類の生物として現れました。中でも三葉虫等の節足動物や藻類の発達が特徴的です。約4億年前の地球年11月下旬には、最古の陸上植物や昆虫類が陸地に上がって来たと考えられています。その頃、海の中では脊柱動物の祖先の魚の種類が増え、一寸遅れて両生類の祖先も陸に上がってきたようです。
約3億年前の12上旬には、世界中の陸地が大森林に覆われ、陸上の動物の種類も多くなった様ですが、繰り返された気候変動などにより、大絶滅と自然淘汰が繰り返されたようです。特に、数千年続いた温暖な時期には、1m位の巨大な昆虫や大型の爬虫類も現れた様です。
そんな時代の中、2億5千年前の地球年12月中旬に、地球上の90%~95%の種が絶滅する様な大変動が記録されています。多分、地球の大造山運動とその影響による森林大火災が原因と思われています。そこで生き残ったのは、恐竜の祖先と小さな昆虫や哺乳類で、その後の恐竜時代につながりました。
また、6400万年前の地球年12月28日には、パナマ沖に直径10km程度の巨大隕石が落ち、その塵などで太陽がさえぎられ、またもや、数百年程度の寒冷化が起こりました。食糧が無くなった恐竜などの大型動物が絶滅し、次の哺乳類の時代へと替わりました。
そして、700万年前の地球年大晦日の午後に類人猿から人類の祖先の原人が分かれ、さらに、世界の全ての現代人は、17万年前の地球年の大晦日昼12時頃に、一人のお母さんから生まれた子孫と言われています。しかし、原人も現代人も厳しい気候変動に見舞われてきた事が分かってきました。数年から数百年の間に、気温が数10度も変わったとの記録があります。気候が安定したのは、最近の1万年にしかすぎない様です。そこでやっと安定した農耕が続けられる様になり、人口の大爆発につながる事になります。
その後の人類の文化的、経済的発展はすさまじく、地球年の年明3秒前には、産業革命が起り、大量の炭酸ガスなどの、温暖化ガスを発生させる事になってしまいました。
これからの悲惨な人類の末期は、どの様なものでしょうか、地球年の年明1秒以内の21世紀末までには、海水面上昇、食糧不足、不安定な気候などから、全地球人口が数億人程度に激減すると予想します。
また、歴史は繰り返すで、巨大隕石の衝突や大造山運動で、やっと地下のシェルターなどで生き残ってきた人類の僅かな子孫も、何れは絶滅すると思われます。
その後も、何らかの地球生命は生き残ると思われますが、40億年後に、太陽の水素核融合反応の水素燃料が無くなると、更に重い元素の核融合反応は続きますが、太陽は赤くて大きな赤色巨星となり、何れは、水星、金星が飲み込まれ、地球も太陽に落下し消滅するかもしれません。


詳 細
★ 宇宙の誕生
星の光の赤方偏移から、遠くの星ほど速い速度で遠ざかり、宇宙の果ての星は光速に近い速度で遠ざかっています。それらの観測事実から逆算すると、137億年前には1点に集まります。それをビッグバンとして、宇宙の誕生としています。ビッグバンは、泡の様に宇宙が生まれる「バブル論」や9次元の幕が交差して発生する「幕宇宙論」などがありますが、観測するすべも無く、数学の世界の想像です。しかし、これ等の理論によると、宇宙の空間も時間も物質もこのビッグバンで起こったと証明できるそうです。もしそうだとすると、この様な宇宙は複数、2つ以上あるなら、無数にあってもおかしくない事になります。

★ 太陽系の誕生
太陽系の元素の組成から、太陽系は、太陽の10~100倍程度の巨星が超新星爆発した時の残骸から生まれた事は、ほぼ確実です。恒星内の核融合反応では、鉄までの元素しか作られず、金やウランなどの重い元素は、超新星爆発で作られたと考えられています。残骸の濃い部分を中心に太陽が作られ、周辺には木星や土星などのガス型惑星が作られました。地球や火星にも当初は大量の水素が集まっていたのでしょうが、重力が小さいので、大気圏に留まれず、重い大気と岩石が残ったのでしょう。

★ 地球の存在
 液体の海を持った地球型の惑星は、宇宙の恒星の中で、何万分の1かの確率で存在する可能性があるようです。太陽が大きな星との2連星の場合や適当な大きさの木星、土星が存在しなかった場合には、「地球は宇宙の彼方に弾き飛ばされた」とのコンピュータシミュレーションが有ります。また、地球の大きさが適度で、太陽からの距離が適度でなければ、液体の海は存在しないのです。また、生命の母である水は、酸素の周りに水素2個が付いていますが、何故かその結合は108度と言う特別な角度なのです。その為、水は、0℃で融解し、100℃で気化します。もしこの特別な角度でなければ、水の様に軽い分子構造の物質は零下50度程度で気化して、現在の地球の温度では液体の海は存在しないそうです。蒸発した海の水は真水の雨や雪を降らせ、地球の生命に恵を与えます。また、4℃で比重が最大になる不思議な性質を持ち、池の氷は表面から張り、池の魚を守っています。
宇宙の神が与えた唯一の恵みがあるとすれば、この水の物理的性質ではないでしょうか?
 
★ 生命の誕生 全ての生命は、遺伝情報(DNA)で体を成長させ、子孫を残します。この暗号化の材料と規則は、地球上の生命(細菌、植物、動物)で共通であり、一つの祖先から分かれた事は、ほぼ、間違いありません。その生命は40数億年位前のチムニーと呼ばれる海底火山の付近で、「硫化水素などを食料とする嫌気性細菌」として誕生したと言うのが定説です。一方、地球外飛来説もあります。100億年位の長い期間の何れかの時に、他の星で生まれた生命が、氷の彗星等のかけらの中に閉じ込められ、それが隕石として地球の海に落ちたとの説です。今後、絶対的証明はできないでしょうが、生命体が彗星等で生き残れる可能性は、証明されつつあります。また、オールトの雲と言われる太陽系外縁の彗星のふる里の中に、他の恒星の水型惑星を起源とする生命体が見つかるかもしれません。

★ 大気中の酸素
 原始地球の大気には酸素は殆ど含まれていませんでした。今より70%の明るさしかなかった太陽の下で、大量の炭酸ガスとメタンなどの温暖化ガスが、液体の海を維持してきました。ところが、20数億年前に、シアノバクテリアという葉緑体を持った植物の祖先が誕生しました。葉緑体は太陽光で水を分解し、炭酸ガスと水素からアミノ酸を作り、酸素を放出します。当時の嫌忌性生物(細菌類)にとって、毒ガスに相当する災難だったに違いありません。しかし、この嫌忌性細菌の子孫は、現在、世界の人口の何兆倍も生き残っています。それは、酸素の少ない100℃近い温泉水の中、扶養土の中、反芻動物の胃の中、動物の腸の中など挙げると限がありません。シアノバクテリアは単細胞の藻類の祖先に進化して、酸素を出し続けました。酸素は海の中の鉄イオンと結合して、海底に沈んで数100mも堆積しました。それが、オーストラリアなどで鉄鉱石として現在採掘されています。海の鉄イオンが少なくなると大気中に貯まり、窒素と酸素と炭酸ガスを主成分とする大気組成となりました。酸素の一部は太陽からの紫外線でオゾンとなり、紫外線を吸収するオゾン層ができ、将来の生命が陸上に上がるお膳立てをしてくれました。その後、更に、温暖化ガスの炭酸ガスが減少し、酸素が増えた地球は寒冷化し、地質学的記録は見つかっていない様ですが、20億年前頃に、地球が全球凍結した可能性も否定できません。

★ 石油化石燃料の起源 
 約3億年前の石炭紀などで、陸上に上がったシダなどの植物の化石が石炭になったと言う事は説明できますが、石油の起源は良くわかっていません。中東の油田の他、バーミューダ・トライアングルと言うアメリカ東海岸には、凍ったメタンハイドレイトが大量に存在します。80年前位には、これが気化して、浮力を失った船や航空機がこの海域で行方不明になったそうです。また、最近、世界の第2の石油資源として、カナダ内陸のオイルサンドが利用できそうだと分かってきました。これ等の化石は、20億年位前まで地球で繁茂していたメタン菌の死骸、シアノバクテリアや藻類の祖先の可能性が高いと思います。最近、温暖化対策の実験で、油田に炭酸ガスを高圧で送り込んだところ、石油が増えたとの報告もあります。もしかして、原油や油田の地層の中にメタン菌などが生息していて、今でも炭酸ガスと硫黄などから石油を作る可能性もあります。でも、私の様な素人が指摘することを、玄人の研究者が「原油中の生命を電子協顕微鏡など探したことが無い」などとは考えられませんがね。

過酷な地球の生命進化
寒冷化した地球では、葉緑素を持った生物の炭酸同化作用が少なくなりますので、その後、数千万年後には火山活動などで大気中に二酸化炭素が貯まり、その比率が現在の30倍に相当する10%位になると、その温室効果で、再び液体の水の海を回復し、また、酸素が増え、また、寒冷化とを繰り返した様です。
嫌忌性の古細菌から、酸素耐性を備えた原始真核生物が生まれ、酸素とブドウ糖からエネルギーを作り出すミトコンドリア細菌と共生した真核生物が生まれました。その後、16億年位前には多細胞生物も生まれた様です。これ等の進化は、過酷な環境下でも生き残れる為の「自然淘汰」の結果かもしれません。
一方、海洋プレートは当時も年数cmで動いていた様で、約7億年毎に陸地が一か所に集まる「超大陸」を構成する事があった様です。また、地球の自転角も長い間にはいろいろと変り、気候変動に大きくかかわって来たと推定できます。極端な例で、例えば、地軸が90度傾き、たまたま極地方に大陸が集まっていたと仮定しますと、その大陸は、半年間は太陽が当たらない冬になり、残りの半年は太陽の沈まない夏になるわけです。冬の雪や氷が太陽光を反射して、溶けずに夏を越せば、寒冷化が毎年進みます。地質学的証拠としても、少なくとも2回は全球凍結が起こり、海が1000m位の厚さの氷に覆われたと考えられています。なお、現在23.5度の地軸の傾きが、数度変っただけでも、寒冷化や温暖化の原因になるとの研究もあります。

生命種の大爆発から大絶滅
 6~7億年前に有性生殖を行う生命が誕生したようです。今まで、突然変異でより環境に強い生命が進化してきた歴史が大きく塗り替えられ、雄と雌の遺伝子の組合せで、より高い確率で環境に適応可能な子孫を残す術を得た事になります。
 その結果、最後の全球凍結が終わった5億5千万年ほど前に、カンブリア大爆発と呼ばれる海の生命種の多様化が起った様です。過酷な環境に対応してきた生命は、この頃の温暖な海で、より大きく強い生命体に進化したわけです。実際に、肉眼で見える大きさの炭酸カルシュームの殻を持った三葉虫、腕足類、サンゴなどの化石が見つかるのは、この時代からです。この後の3億年は古生代と呼ばれていますが、6つの「紀」に分かれています。各々の「紀」の境目は、生物種の大量絶滅で区切られているそうです。4億年前頃には、陸上の植物、骨格を持った魚、翅の無い昆虫類が出現しました。3億年前には、シダ、イチョウ、ソテツなどの石炭紀に象徴される陸上植物の繁茂で、大気の炭酸ガス濃度の減少と酸素濃度の増大で、気候は次第に寒冷化したようです。しかし、森林の湿地帯に住む両生類や爬虫類の祖先が誕生し、翅を持ったゴキブリの祖先の空への進出も起った様です。また、巨大化した昆虫の祖先は60cmの蜘蛛、70cmのトンボ、2mのムカデなどの化石があります。そんな中で、2億5千万年前に、生物種の95%が絶滅する大災害が発生しました。

 大造山運動
プレートテクトニクス理論により、大陸移動説が説明できる様になって50年位しかたっていません。例えば、太平洋海底は年間約4cmの速度で西に動き、日本海の付近で地下のマグマに沈んで行きます。地球には厚い所で100kmの地殻がありますが、地球半径の1/60と相対的にはリンゴの皮よりも薄いのです。地球上の大陸は約6~7億年周期で離合集散したり、地下600km付近に溜まった海洋底の残骸(スラグ)が、突然、地下数千kmの地球内核付近まで落ちる事が有るようです。丁度、2億5千年前、世界の大陸がパンゲアと言う超大陸に集合したことが分かっています。超大陸の下には全ての方向からスラブが押し寄せ、その内の1ヵ所が落下した時、重いスラグに囲まれて、行き場を失ったホットマグマが超大陸の真中付近の地上に噴出したと考えられます。この大造山運動で噴き出した火山噴出物と超大陸の森林火災により、炭酸ガスが増え、酸素が少なくなり、更に、何千年かの「冬の時代」(氷河期)が起きたと考えられます。

動物の上陸
現在のプレートの衝突で、ヒマラヤ、アルプス、ロッキー、アンデス、日本列島などが作られていますが、超大陸パンゲアの衝突では、ウラル山脈やアパラチア山脈ができ様です。その時、大陸間の海洋が次第に浅くなり、干上がって行く過程で、乾燥期には海水が少なくなる場所も存在したのでしょう。浮袋を進化させた肺魚やシーラカンスの様な肺呼吸する淡水魚も現れた様です。また、森林の間の沼地などで、鰓(えら)を動かし水草の間を移動する能力を獲得した魚が、時々陸に上がって、両生類へと進化したと想定できます。
更に、脊椎動物は、全て「魚の子孫」と言われていますが、魚の起源は何でしょうか? 仙台名産に「ほや」と言う貝が有ります。「ほや」の幼少期は、魚の様に海の中を動く様ですので、「ほや」の幼少成熟したのが魚であるとの説があります。人間の遺伝子と「ほや」の遺伝子の78%が共通だそうです。また、母なる子宮の羊水の中で、胎児はこの様な順序で、成育して生まれて来ると言う事実もあります。

恐竜の時代とその絶滅
 2億5千万年前のスーパープルームの大噴火で増大した炭酸ガスと減少した酸素の大気の中で、生き残った陸上動物は、恐竜、小さな哺乳類と小さな昆虫類でした。恐竜は肺を進化させ吸う気管と吐く気管を別々に持つことにより、哺乳類は腹式の横隔膜呼吸を獲得し、昆虫は小型化で、少ない酸素で生活できる様に進化したと思われます。恐竜は15m位の長い首で高い木の葉を食べる草食恐竜、敏捷な2足歩行で哺乳類や昆虫を追う肉食恐竜に分かれて進化した様です。2足歩行の恐竜の中には、手の鋭い爪で木に上り、池の魚を空中から飛び込み捕獲する鳥の祖先も現れ、翼幅が数mの空を飛ぶ始祖鳥なども現れました。
 6500万年前、2億年間続いた恐竜全盛の世界に、突然、寝耳に水以上の天変地異が襲いました。メキシコ沿岸のカリブ海には、数100kmのクレータの痕跡が発見されています。これは、その時、直径10km位の隕石が落ちた痕跡だろうと言われています。隕石の大きさは、地球をリンゴに例えれば、「けしつぶ」程度の大きさです。しかし、地球は柔らかく、直ぐ下は2000℃以上のマグマです。まず、海水が500m程度の津波となって、世界中に押し寄せました。ハワイやロッキーの麓に痕跡が見つかっています。マグマの破片は世界中に飛び散り、全ての森林を燃やし、その煙やマグマの塵が全地球を覆いました。その結果、太陽の光が遮られ、1000年程度の「冬の時代」が再度あったと思われます。その結果、恐竜などの大型生物は食料を失い、絶滅したと考えられます。地上に残ったのは、哺乳類や昆虫などの小さな生物達で、その後の地球生命環境を大きく変えました。一方、恐竜の子孫が現在の鳥類となって、残っているのは、偶然なのでしょうか? その後、次第に酸素濃度が上昇しましたので、鳥類は恐竜が獲得した効率的な肺機能とパイプ状にした骨で軽量化を図り、余裕で世界中を渡り飛べる様です。哺乳類も横隔膜呼吸により、大きな運動能力を獲得して、その後の弱肉強食の時代に勝ち残ってきました。

 人類祖先の誕生
人類は700万年前にアフリカでチンパンジーから別れたと考えられています。その頃、大陸移動によりアフリカ東部に山脈ができ、雨雲が遮られて乾燥化し、森林が失われた草原で、2足歩行を余儀なくされたサルが、人類の祖先と考えられています。人類の特徴は、「脳が大きい」、「手が自由に使える」、「毛皮が無い」、「発声が可能」、「ペニスが巨大」などで、現在、生物界の巨匠となりました。この特徴の一つが欠けても、現在の人類の繁栄は有り得なかったと思われています。

 人類の祖先が経験した気候変動
 グリーンランドの氷の中には、過去数十万年間の気候の記録が閉じ込められています。最後の氷期が終わったのは、今から1万数千年前で、それ以降、比較的温暖な安定した気候が今日まで続いてきています。しかし、それまでの寒冷期には、数十年単位で平均気温が10℃近くも変わる不安定な気候が一般的であった様です。現在、海洋大循環と言われる海流の大きな流れがあります。それは、南太平洋やインド洋の温かい海水が、喜望峰からアフリカを廻り、メキシコ湾流と合流して更に暖かく、塩分濃度の上がった海流が北大西洋の氷で冷やされ、海底を潜り、再び喜望峰を廻り、南太平洋やインド洋で浮上する海流です。特に、高緯度のヨーロッパ地方を人の住める温暖な気候にしている元動力と言われています。寒冷な時代にはこのコンベアーが動いたり、止まったりを繰り返したため、特にヨーロッパや北アメリカの気温を大きく動かした可能性があります。寒冷な時代に、北大西洋の気温が上がり、北アメリカ、カナダ、スカンジナビア半島などの万年雪が融けて、北大西洋に流れ出すと、軽い真水が海面に留まり、海洋大循環が止まります。すると、北大西洋が寒冷化してまた万年雪が貯まり、一部は氷山として、北大西洋に流れ出します。零下何十度の冷たい氷は、真水を表面に集め、塩分濃度の高い重い海水を沈め、海洋大循環を復活させます。
 一方、南極にも、氷の記録があり、過去100万年の世界の気候が推定できます。それによると、暖かい時期には大気中の炭酸ガス濃度も高いこと、次第に少しずつ寒冷化した後に、急に温暖になる周期があること、その周期は約10万年であることが判明しています。この現象を地球への太陽光照射量から説明しようとする「ミランコビッチ仮説」があります。過去の太陽と地球の距離の変動、自転軸の変動などはかなり正確に計算できます。太陽光が増えて海の温度が上がれば、暖かいビールと同じで、海水に融ける炭酸ガスの量が減ります。増加した大気中の炭酸ガスで温暖化が進むと説明できます。

 現代人の誕生と繁栄
動物の細胞一つ一つは、遺伝情報(DNA)によって増殖しますが、その一つ一つの細胞の中に、200個程度のミトコンドリアが共生しています。元々、別の細菌が原始細胞に取込まれ、共生が始まったのではないかと考えられています。植物は類似の葉緑素と共生しています。このミトコンドリアも各々DNAを持っていて、母性遺伝する事が分かっています。このミトコンドリアの遺伝変異を調べ、地球上の全ての現代人は、15万年前の一人のお母さんの子孫であるらしいとの研究があります。
現代人は3万年位前に、アフリカから世界に広がって行ったと考えられていますが、寒冷な時期には、今より150m位海水面が低下し、シベリアとアラスカを隔てるベーリング海峡も陸続きであったと考えられています。その間、地球に存在していたネアンデルタール人などの別種の原人は、現代人との「戦争」などで滅ぼされたと思われます。1万年前までの地球は、寒暖の気象変化が激しく、猛獣などの闊歩する世界で、危険な狩猟と放牧などで生き残る「か弱い祖先」であったと思われます。そんな中、1万年位前に、気候の安定化が始まり、同じ土地で、同じ時期に、同じ植物が生産できる定住生活が始まったと考えられます。その温暖な安定した気候は「海洋大循環」のお陰が大きいと考えられています。

 人類の森林破壊
 メソポタミヤ、インダス、中国のゴビなどに砂漠がありますが、1万年前頃は豊な森林地帯であった事が最近分かってきました。人類は、それらの森林を暖房、鉄の精錬、レンガ作りなど利用して、破壊し、砂漠化すると放棄して、新天地に移動して行きました。最近は、チェーンソーのなど発明で、更に急速な破壊が進んでいます。インドネシアの熱帯林の日本などへの密輸、カナダやロシアのパルプ材生産で森林は急速に減少しています。特にアマゾンの焼き畑農業と木材の伐採では、最後の熱帯雨林も危機にさらされています。アマゾンでは地球温暖化の海水温上昇の影響も加わり「100年後には砂漠になる」とのシミュレーションもあります。

 地球温暖化
 地球温暖化の最大の要因は、産業革命以降の石炭、石油などの化石燃料の消費でしょう。しかし、1万年位前からの牧畜と農耕文明の頃から、家畜のゲップやおなら、水田のメタンガス発生、更に、木材の燃焼などで、徐々に地球温暖化ガスは増加してきました。最近は、ロシアの森林火災では大量の炭酸ガスを発生し、焼け跡の溶解した凍土からは、大量のメタンガスがでています。海水の温暖化による珊瑚などの破壊、大陸棚のメタンハイドレートの気化など、温暖化ガスの大気中への蓄積は、非常に危険な状態が続く事は確実です。特に、20世紀の資本主義経済化とグローバル経済が、地球温暖化の拍車をかけ、人類生存を危なくしています。

 食料不足
 中国の近代化が進んでいますが、例えば、10数億人の中国人の一人一人が、週に1回150gの牛肉を摂った仮定すると、その数十倍の穀物飼料とその数百倍の真水が必要になります。一方、アメリカなどの穀物地帯では、地下水を汲み上げて灌漑している所もありますが、長年の汲み上げで、地下の塩分が土壌に蓄積し収穫量を下げています。また、人間の食料である麦や大豆を生産するより、家畜用のトウモロコシを生産するほうが儲かるとの事で、転換が進んできていましたが、最近はバイオ燃料用のトウモロコシに転作されています。小麦や大豆より、トウモロコシの方が水を3倍必要とするそうで、ここでも資本主義経済の弊害がでています。アメリカは牛肉や米を日本に輸出したいと息巻いていますが、30~40年後までの安定供給を約束して欲しいものです。高齢化により、日本の農家のノウハウが無くなった頃に、お米や牛肉を輸入できなくなる事は目に見えています。

 海洋資源
世界の海洋資源(魚介類)のかなりの量は、日本人の胃袋に入っています。一方、それ以上の量が「くじら」の胃袋に入っていると思われます。今後の食糧不足解消のほんの一歩は、世界捕鯨禁止措置の解禁ですよ! また、世界の漁業資源の元は、オホーツク海や南氷洋の氷の下で大量発生する植物プランクトンに依存しています。例えば、オホーツク海の栄養豊な海は親潮となって、東北沿岸に南下し、いわし等の漁業資源に貢献してきました。しかし、地球温暖化により、北海道の流氷も少なくなり、南極大陸の氷も溶け、メキシコ湾流を支えた「海洋大循環」も、現在既に10%位は減少したとの報告もあります。

 人口大減少
現在、先進国では、生涯出生率が2.0以下で人口減少に転じていますし、中国では既に20年前から「一人っ子政策」を推進して、逆に老齢化が進む危険が指摘されています。そこで中国では「両親が1人子場合2子目を認める」との修正方向にある様です。一方、インドなどでは、人口のピラミッド構造が維持され、子供がどんどん増えています。労働もグローバル化し、先進国の労働問題も、これ等の発展途上国の若年人口増加と無縁ではないでしょう。他に、エイズ問題でのアフリカ諸国の死亡率の増加やセックス意欲の減退もあるかもしれませんが、人口減少には微々たる影響しか無いと思われます。一方、食糧不足による餓死などでの人口減少はどんどん進んで行くと思われます。そんな中で、環境ホルモンによる男性機能の低下は、大きな影響を与えそうです。日本の少子化対策として「バイアグラの無料配布」を推進してはとの意見を聞いた事があります。男性機能の更なる低下が起これば、何百年後かには、凍結精子による人工受精しかなくなるかも知れません。

 将来の大規模な気象変動
今後、数100年以内には、世界の平均気温が5℃程度上昇し、グリーンランドや南極の氷の一部が溶けて海面が数メートル上昇(私は6mと予想)すると思われます。また、海洋大循環も止まり、地球の砂漠化、大洪水などの気象災害の増加も避けられないでしょう。
一方、10万年周期のミランコビッチ・サイクルが繰り返されていると仮定すると、温暖期は1万年前に始まったばかりで、現在、寒冷化に向かっている最中です。実際に、600年前位からヨーロッパで寒冷化の兆候が見られ始めていました。そこに、産業革命以降の化石燃料の消費拡大で炭酸ガスが増大しています。これがどう影響するかが問題です。過去の100万年の記録では、約10万年毎に次第に寒冷化し、急に温暖化してきた様です。その際、温暖化と炭酸ガス濃度には正の比例関係が見られます。温暖化が先か、炭酸ガス濃度が先かによって、今後の温暖化見通しが大きく異なりそうです。
私のもう一つの説明では、大気中の炭酸ガスは、植物や海藻の光合成と海洋生物の殻や骨として、常に一定の割合で消費されて、炭酸ガス濃度も一定割合で減少して、寒冷化が進むと思います。一方、突然の温暖化は、火山活動の活発化で炭酸ガスが増加すると思います。例えば、海洋プレートは数cm/年で、陸プレートの下に潜り込み、マグマの中にスラブとして伸びています。それが10万年で数kmとなり、ちぎれて落ち込むと、マグマが掻き回され、火山活動が活発になり、大気の炭酸ガスが増え、温暖化すると考えられます。また、もう一つの説明では、寒冷化によって、海面が150m位下がり、アメリカ東海岸などのメタン・ハイドレートに太陽光が当たり、炭酸ガスの100倍の温暖化効果のあるメタンが地球温暖化の引き金になったとも考えられます。その場合、現在、寒冷化の途中で、人間の化石燃料使用で人為的温暖化になったのですので、化石燃料の枯渇や温暖化対策で、炭酸ガス排出が減ると、また、次第に寒冷化に向い、約10万年の周期が1000年位伸びる程度かもしれません。
逆に、温暖化が先で、炭酸ガスの増加がその結果とすると、太陽光照射の増大などにより、海水の温度が上がり、ビールの泡と同じく、炭酸ガスが大気中に増えると考えられます。しかし、その位の炭酸ガス増加では、急激な温暖化周期を説明できないと思います。

 最後の人類の危機
この後、何とか生き延びてきた人類は、何度かの試練を潜り抜ける必要が有ります。3200万年毎の小惑星軌道への接近による巨大隕石の危機、前述した6億年周期での超大陸形成と大造山運動などがあります。その時、数万人単位の金持ちは、原子力発電所を備えた巨大ロケットで地球外への脱出を試みるかもしれませんが、原子力燃料の尽きる前に、新しい地球型惑星に到着できる保障はありません。一方、地下のシェルターで、植物を作り、牧畜を行う金持ちも残るかもしれませんが、ロボットに全てを任せてきた人類の子孫は、遺伝子の突然変異で進化して、廃用症候群の結果、全痴呆化状態で滅亡するかもしれません。

 太陽の生涯
太陽程度の質量の恒星は、約90億年間、水素融合反応で、安定に光り続けると言われています。その水素燃料がなくなった時、ヘリウムから鉄への不安定な核融合反応となり、赤色巨星として、第2の生涯を送ると言われています。その頃、地上からの景色はどんなものでしょうか? 天空の半分近くの巨大な真赤な太陽が昇ってくるでしょう。太陽の表面温度は2000℃程度に低下するかもしれませんが、表面積の増大で、地球に注がれる太陽熱は増大し、地球の気温は数100度の灼熱の地獄となり、ミトコンドリアの光合成もなく、その結果、大気中の酸素もなくなるでしょう。酸素による青色の大気散乱が生ぜず、昼真から、太陽の周りには、何も変った事が無かったように、星々がキラキラと輝いているでしょう。その後、地球も太陽に呑まれ、地球上の全ての生命の終焉となるでしょう。宇宙には、この様な赤色巨星が沢山観測されています。長い宇宙の時間の中では、太陽が輝いていたのも、ほんの一瞬にすぎないのかもしれません。
以上

「素人が憂える脅威シリーズ」に興味のある方は、以下のメニュー・アドレスから、別のアップも参照してください。
http://kikyossya.at.webry.info/200907/article_1.html
シリーズ①:政権交代後の期待と憂慮
シリーズ②:世界大都市海没の脅威
シリーズ③:日本人大量餓死の脅威
シリーズ④:日本の水と森林壊滅の脅威
シリーズ⑤:世界最終戦争の脅威
シリーズ⑥:世界金融危機の脅威
シリーズ⑦:新型インフルエンザの脅威
シリーズ⑧:宇宙誕生から地球消滅の驚異(2007年記)
シリーズ⑨:地球は誰のもの-地球を守る政治-(2006年記)
シリーズ⑩:人類は何処から来て、何処に行くか(2003年記)

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